ATPを再合成するシステムは3つ。トレーニングの時間と強度は目的にあってる?

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こんにちは。

 

川﨑文也です。

 

目次

「トレーナーの基礎力が向上する」1日3分の流し読み問題集no.14

 

では、今日も問題です。

 

問題

ATPを再合成するシステムは大きく分けて3つ存在します。

高いパワー発揮が要求される、レジスタンストレーニングで活躍するのはどのシステム?

 

A 無酸素性のシステム

B 有酸素性のシステム

C 解糖系のシステム

D どれも使わない

 

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正解: A 無酸素性のシステム

 

体内のATPを再合成せずに使っていくと、10秒前後で無くなってしまうと考えられています。

ATPがなくなると筋肉が動かなくなるので、一度つかったATPをリサイクルして、再びエネルギーに作り直すシステムが存在しています。そのシステムのおかげで、私たちは10秒だけではなく、ずっと体を動かすことが出来るのです。

 

どのシステムが活躍するのかは、「運動の継続時間」と「運動強度」に応じて変化します。

5秒ぐらいまでだと無酸素性のシステム。

30秒ぐらいだと解糖系のシステム。

3分を超えると有酸素性のシステムがメインで活躍していきます。

 

運動中、どれか一つだけシステムが働いているわけではなく、すべてのシステムが働いています。ただ、それぞれに得意不得意があるので、それぞれ得意な場面で主役になって活躍してくれています。

それぞれに役割があり、抜群のチームワークでATPを再合成しているわけですね。

 

運動の「継続時間」で、システムを分けてしまうことが多いのですが、忘れてはいけないのが「運動強度」です。

ここでの運動強度とは、筋の活動レベルのこと。つまりパワーになります。高いパワーの発揮が求められる運動ほど、無酸素性のシステムが主役になります。

「運動強度」と「継続時間」のバランスによって、主役になるシステムが決まることになります。

 

例えば

5秒間、草原で微笑みながらスキップする

と、いう運動をしたとしましょう。これだと、肩の力は抜けてリラックスした状態で運動をしてそうですよね。

5秒間という「継続時間」では無酸素性のシステムですが、「運動強度」という視点ではパワー発揮はかなり低いです。なので全体的にみると、5秒間、草原で微笑みながらスキップは有酸素性のシステムの運動になります。

 

例えば、

5秒間、いまにも出発しそうな電車に乗るためにスキップで急ぐ

と、いう運動だっだらどうでしょうか?すごい必死な感じがしませんか?これはもう、絶対に全力ですよね。後先考えずに持てる力のすべてでスキップしているはずです。

これだと、5秒間の「継続時間」は無酸素性のシステムです。さらに、「運動強度」という視点では全力を尽くしているので、限界に近いパワー発揮がされています。

継続時間と運動強度、どちらも無酸素性のシステムが活躍する条件が整ったので、無酸素性システムが働きます。

なので、5秒間、いまにも出発しそうな電車に乗るためのスキップは無酸素性のシステムの運動になります。

 

気づきにくいトレーニングの失敗として、時間は無酸素性だけど、強度は有酸素性という場合があります。トレーナーが負荷の設定を軽くし過ぎている場合もありますし、選手側が手を抜いて流している、という場合もあります。

時間は客観的に測れますが、全力がどうかは主観的で判断がしにくいです。なので、無酸素性のシステムを強化したいのなら、運動強度に注意を払って実施した方がいいでしょう。

 

いま、あなたがしている競技力強化のためのトレーニングは「継続時間」と「運動強度」のレベルは目的に合っていますか?競技に合った特定のシステムを強化したい場合は、「継続時間」だけでなく、「運動強度」も考えてメニューを組み立てる必要がありますね。

 

 

それでは、今日はここまで!

 

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「トレーナーの基礎力が向上する」1日3分の流し読み問題集は、私が学生時代に後輩たちに向けて配信していたメールマガジンです。内容はNSCAの教本をもとに作成しています。分かりにくい生理学や解剖を少しでもイメージしやすいようにまとめていきます。何かお役に立てれば幸いです。
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