「なかなか体が大きくならない」トレーニングで体を大きくするために必要なエネルギー量の話

「トレーナーの基礎力が向上する」1日3分の流し読み問題集no.9

 

こんにちは。

川﨑文也です。

 

では、今日も問題です。

 

問題:

筋量を増やし、体重を増量する計画を立てています。

筋量を月に1kg ペースで増やす場合、1日の摂取エネルギーをどれぐらい増やせばいいでしょうか?

 

A 約185kcal

B 約397kcal

C 約793kcal

D 約972kcal

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正解: A 約185kcal

 

 

 

まず、筋量を増やすには大前提として、「十分なトレーニングをしていること」が挙げられます。

そのうえで、エネルギー収支の黒字をつくることが必要です。

黒字とは、『消費エネルギー』よりも『摂取エネルギー』が多く、エネルギーが体内に余っている状態のことです。逆に赤字は、『摂取エネルギー』よりも、『消費エネルギー』が多い状態で、エネルギーが体内に不足している状態のことです。

 

赤字の状態でいくらたんぱく質を摂取しても、ほとんどが活動エネルギーとして利用されるため、タンパク質の供給が筋繊維合成にまで辿り着きません。

「生きる分のエネルギーは確保できたから、余った分は使っていいよ。」

こんな風に、体が余裕を持った状態でたんぱく質を摂取してください。

体の中にもエネルギーを使用する優先順位が存在しています。

体の最優先事項は筋肉を増やすことではなくて、生命維持なんですね。

 

筋1kg の熱量は約5500kcal(5555kcal)持つと考えられ、1kgの筋肉を増やすには、同じ量のエネルギーを黒字として体内に取り込む必要があります。

なので、1ヵ月で1kg 増やそうと思うと、

5555kcal ÷30日 で、1日185cal が必要。

1週間で1kg 増やそうと思うと、

5555kcal ÷7日 で、1日793cal が必要。

という計算になります。

あくまでも計算上の話なので、余ったエネルギーすべてが筋線維合成に使われるとは限りません。きっと脂肪の合成の方に優先的に使われるでしょう。なので、筋量を増やす時には、同時に脂肪も付きます。脂肪量を増やさずに、筋量を増やす事が理想ではありますが、それはすごく大変なことなんですね。

 

まとめてみると、筋量増加による体重の増加には、

1.トレーニングをして、筋に十分な刺激を与えている。

2.エネルギー収支の黒字をつくっている。

3.筋線維合成に必要なタンパク質が体内にある。

といったことが最低条件として、挙げることができます。

「なかなか体が大きくならない。」と言っている人がいれば、この項目を確認してみてください。

 

 

それでは、今日はここまで!

 

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「トレーナーの基礎力が向上する」1日3分の流し読み問題集は、私が学生時代に後輩たちに向けて配信していたメルマガです。内容はNSCAの教本をもとに作成しています。分かりにくい生理学や解剖を少しでもイメージしやすいようにまとめていきます。何かお役に立てると幸いです。
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