2018年3月、『呼吸と運動機能への統合的アプローチ』のセミナーを受講してきました。
講師は、近藤拓人さんです。
冒頭で、近藤さんから動作に関しての前提としての話がありました。
呼吸、把持、咀嚼、歩行などの原始的動作は発育発達過程で無意識的に発現するため、原始的動作の動作手順や方法を意識的に学ぶことは最適な習得方法ではない。
無意識的に発現する姿勢や動作は個人の身体状況や環境への適応能力を反映しているのであり、心身や環境を変化させることで姿勢や動作は自動的に変化する。
例えば呼吸に介入する際、動作の手順や方法を分化して再学習するのではなく、環境や刺激を提供して適切な呼吸を誘発する方がより自然である。
つまり、トレーナーや指導者は動作に対して指示を出し過ぎで、即時的な反応ばかりを求めて永続的な適応を阻害しているという事だと思います。
それを踏まえたうえで
運動機能へのアプローチ、つまり脳へのアプローチに必要なものとして以下の項目が挙がります。
燃料
- 酸素=呼吸
- グルコース=食事
刺激
- 多種多様な活動
- 抑制と活動のバランス
今回のセミナーでは、呼吸に関する部分と、刺激に関する部分が中心になります。
[topic color=”green” title=”印象的だった項目”]
- 呼吸と二酸化炭素と血中pHの関係。
- どうして不適切(過剰)な呼吸は、音や光などの刺激に対する過剰な反応を引き起こすようになるのか。
- 鼻呼吸と口呼吸はどちらを優先すべきなのか。
- 呼吸が、顔面や歯並びの形成異常にどのように影響しているのか。
- 呼吸と運動システムにどのような相互関係が存在しているのか。
などなど
[/topic]
呼吸が身体に与える影響の強さと広さを理論として学び、改善のエクササイズをおこなっていきます。
自然で無意識的な呼吸のため
[keikou]胸腰移行部と肋骨の動きを誘導して横隔膜腱中心を下降させるのか?[/keikou]
[keikou]そして、ハムストリングスや前鋸筋などの筋をどうやって呼吸に関与させていくのか?[/keikou]
順序だてて理解しながら動いていきました。
このセミナーの内容をしっかりと理解できれば、
呼吸という一つの動作から、全身の体内環境、身体機能、精神状態まで包括的に考えアプローチすることが出来るようになると思います。
勉強不足を痛感するばかりですが、体の不思議さや可能性に楽しさを覚えます。