こんにちは。
川﨑文也です。
パーソナルトレーナー練習会の報告です。
すこし専門的な内容になっていますので、トレーニングに興味のある方や勉強をしている学生さんなどにお勧めです。
興味のある方は読み進めてください。
なぜ、地味な動きが必要なのか?
これまでの練習会では、
頸部の動きを改善したり、
(復習内容はこちら→パーソナルトレーナー練習会2017.4.16)
呼吸のトレーニングをおこなうために、胸郭の柔軟性を改善したりしてきました。
(復習内容はこちら→パーソナルトレーナー練習会2017.5.14)
どのエクササイズもそうですが、とても地味で細かいですよね。
そんな細かいことなんか気にせずに、
マシンやダンベルで筋トレをしたり、
ランニングなどのトレーニングをした方が手っ取り早く運動効果がでるのでは?
と、思うかもしれません。
でも、地味で細かいことも必要です。
なぜ、地味で細かいトレーニングを続けていくのかというと、理由はとてもシンプルです。
良い姿勢のままで、マシンやダンベルで筋トレをしたり、ランニングをしたいからです。
崩れた姿勢で筋トレやランニングを繰り返しても、効果を十分に引き出すことが出来ません。
それどころか、身体に無理な負担がかかりケガに繋がる可能性もあります。
ただ、筋トレやランニングの量をこなせばいいのではなく、
いい姿勢でトレーニングに取り組む必要があります。
そのためには、頸部や胸郭などの動きのコントロールが必要になってきます。
部分から全体の動きへ
ここまでは頚部、胸郭、呼吸と部分ごとのエクササイズをおこなってきました。
ですが、日常生活中もトレーニング中も、身体の動きとして部分のみで動くことはありません。
部分ごとのエクササイズを全体の動きとして協調できるようにトレーニングしていきます。
今日のエクササイズ種目
『ヒップローテーション』
股関節の内外旋と、骨盤の回旋を誘導します。
↓ヒップローテーションのスタートポジション
↓ヒップローテーションのエンドポジション
股関節を屈曲する時は、股関節では大腿骨を寛骨臼の中で内旋させています。
なので、股関節の屈曲をスムーズに行う為にも股関節の内外旋は重要です。
まずは、ヒップローテーションで股関節の内旋外旋を引き出していきましょう。
狙いたい動きは股関節の内外旋と骨盤の回旋です。
過剰に腰の部分を反るような動きは制御するようにします。
腰を動かしたいのではなく、股関節を動かしたいからです。
エクササイズの手順
- 脚の幅は、肩幅程度に広めにしておきます。
- 膝を揺らすように、左右交互に動かします。
- 動作は反動をつけずに、自分でスピードをコントロールしながら動かします。
『カールアップ』
頭頸部・胸郭・腹部・骨盤帯を協働させ、コアの機能を高めます。
↓カールアップのスタートポジション
↓カールアップのエンドポジション
脚を持ち上げることで、腰椎骨盤帯を良い姿勢の状態で安定させます。
腰椎骨盤帯が安定した姿勢のまま、胸椎の屈曲運動を行います。
ポイントは、頚部の運動ではなく、胸椎の運動という点です。
過度な頸部の屈曲はださずに、脊柱の延長線上に頭部を位置させます。
エクササイズのの手順
↑意図的ではないのですが、自然と目が見開いて頑張っている様子がでています(笑)見た目以上にこのエクササイズは大変です。
- 手は頭の後ろ、もしくは腹部(みぞおち)に置きます。
- 脚を持ち上げて、力まずその位置を保ちます。
- 息を吐き、肋骨を内旋させながら胸椎を屈曲させます。
- 胸椎が屈曲して、頭部が床から浮きます。
- 床から浮いた状態を保ちながら、呼吸を繰り返します。
頚部のトレーニングでおこなったサービカルエロンゲーションのように脊柱全体を引き延ばすような感覚で行うとより効果的です。
『デッドバク』
コアを安定させることで、コア(体幹)と手足の分離運動を促します。
↓デッドバクのスタートポジション
↓デッドバクのエンドポジション
コアの安定が上手くコントロール出来ていないと、腕を動かした時に胸郭が大きく開いてしまします。また、脚を動かした時には、骨盤が前傾位に動いてしまいます。
コアは安定(姿勢が崩れるような代償動作が入らない)状態で手足を動かせるように改善していきます。
エクササイズの手順
- 手足を持ち上げて、力まずにその位置を保ちます。
- 腰椎骨盤帯を安定させた姿勢を保ち、脊柱全体を引き延ばすようにします。
- 息を吐きながら、対角線上の手足を同時に床に近づけるように動かします。
- 手足を引き戻して来たら、反対の手足を同時に床に近づけるように動かします。
『レッグロワーリング』
コアを安定させ、股関節の屈曲伸展動作を正しくおこないます。
↓レッグロワーリングのスタートポジション
↓レッグロワーリングのエンドポジション
コアを安定させ、股関節の屈曲位を正しく保持することで、関節包の固有受容器に刺激を与えます。
固有受容器が正しく機能すれば股関節の屈曲伸展がよりスムーズに行えるようになります。
股関節の誤った動作パターンを覚えてしまっている場合は、固有受容器に刺激を入れて正しい動作パターンを思い出してもらえるようにしていきます。
エクササイズの手順
- 両脚を持ち上げ、股関節屈曲位を保ちます。
- コアを安定させ脊柱を引き伸ばすようなイメージで、いい姿勢を保ちます。(丸まったり、反ったりしないように)
- 片脚は屈曲位を保ったままで、反対の脚を床に近づける様に動かします。(床に足をつけない位置で止めます。)
- 足を床に近づけたら、コアを安定させたまま、股関節屈曲位まで戻してきてください。
- 両脚とも屈曲位まで戻して来たら、もう一度同じ脚を床に近づける様に動かします。
何度か同じ脚で屈曲伸展を繰り返したら、反対の脚で屈曲伸展を繰り返してください。
まとめ
今回おこなったエクササイズは、
すごく汗をかくわけでも、
筋肉が肥大するようなトレーニングでもありません。
しかし、トレーニングの効果を十分に引き出すためには良い姿勢でトレーニングを行うことが不可欠です。
ただ、筋トレやランニングをすればいいのではなく、
良い姿勢でトレーニングに取り組むためには、頸部や胸郭などの動きが必要になってきます。
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筋肉などの組織の伸張不全や関節の機能不全がある方の場合は、動作が出来なかったり腰痛などの不調を悪化させたりする場合もあります。
その方の状態を把握しながら、最適な提案をしていきましょう。
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『カールアップ』や『レッグロワーリング』は、正しい動きがイメージしにくく、難しいかもしれません。
少しイメージしにくいなと感じた方は『ヒップローテーション』や『デッドバク』からチャレンジしてみてください。
比較的に動きのイメージが湧きやすく安全に行えると思います。